アリスのお茶会
更新状況と雑記。そして優雅とは言えない日常の数々。
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――― 8月3日AM1:25
私は、
あの夜の事を、
決して忘れないだろう。
私は、
あの夜の事を、
決して忘れないだろう。
それは日付も変わった、ある夏の深夜の事です。
その日は蒸し暑い夜でした。
彼女は妹の部屋のガラス戸が閉まっていることに気付き、開けてあげようとその部屋に足を踏み入れたのです。
姉としての優しさ…それが彼女をあのような目に合わせる事になろうとは、その時は彼女達の母ですら予想してはいなかったのです。
ベッドの傍らで眠っている犬を避け、部屋の片隅に置かれた冷蔵庫を回り込み…あと少しでガラス戸に手が届く…そう、まさにその時です!
彼女の足元で、ぴちゃ…っと濡れた音が響きました。
何かが零れているような…水気を含んだ感触。予想していなかったとはいえ、彼女は足を濡らすこの感触を知っていたのです。
この……恐ろしい感触を。
まさか、そんなはずはない……彼女はその仮定を必死に否定しようとしました。
彼女は震える体を動かし、背後のベッドで安らかに眠っているはずの妹を、次いで床の上でくったりと横たわる犬を見つめました。
ああ……絶望にも似た思いが彼女の胸に湧き上がります。
その瞬間、彼女は夜だというのも忘れて声を上げたのです。
「この犬が~! お前、おしっこしただろ~!!」
―――そうです、部屋の片隅はトイレスペースでもないのに、妹の犬のおしっこが零れていたのです!!
姉の声を聞いた妹は寝ぼけ眼で起き上がり部屋の電気をつけようとしましたが、その手は空回り(寝ぼけているので)、犬はどや顔で床を拭くのを邪魔し(おまけに噛みつく)、トイレに起きた母は「またやったの?」という言葉を残して自室に戻っていきました(手伝いもせずに)。
―――それは、蒸し暑い夏の夜のお話でありました。
8月3日の呟きより。
なにこれ?と思われた貴方、深く考えてはいけません。
真世の身に降りかかった、他愛もない話なのですから。
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